@techreport{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00010720, author = {河村, 功一 and 加納, 義彦 and 原田, 泰志}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 本研究は近縁外来種の侵入による在来種の絶滅を実験的に再現し,生態・行動学的手法と集団遺伝学的手法によりそのメカニズムを明らかにするものである。在来種ニッポンバラタナゴ(Rok)と近縁外来種タイリクバラタナゴ(Roo)を用いた水槽実験(Rok:6ペア;Roo:3ペア)により,亜種間における配偶行動と繁殖率の違い,各交配頻度と出現仔魚のタイプ別頻度を調べた。次に野外人口池(Rok:50ペア;Roo:5ペア)を用いた同様の実験により,仔魚の遺伝子型と遺伝子頻度の変化を追跡した。また,これらの結果を基にコンピューターシュミレーションも行い,Rooの侵入によるRokの絶滅条件を推定した。 Rooは雄の配偶行動と雌の繁殖率においてRokに勝っていた。配偶行動の成功率は亜種間では低く,特にRoo(♀)×Rok(♂)において低かった。交配頻度はRok間において最も高く,次いで亜種間,Roo間となったが,仔魚のタイプ別頻度は雑種が最も高く,次いでRok,Rooとなった。また,雌の繁殖率について見ると,RooはRokの約6倍である事が判った。野外池において出現仔魚のタイプは雑種が最も多く,次いでRoo,Rokとなり,Rokは実験2年目以降,確認できなかった。雑種の頻度は年々増加し,3年目には96%に達した。遺伝子頻度について見るとRooの固有対立遺伝子は実験池の集団全体だけでなく雑種内においても増加し,その頻度は実験3年目には分析した全ての座において約70%に達した。以上からRooの侵入によるRokの絶滅は個体と遺伝子ではそれぞれ異なる要因により生じる可能性が示唆された。即ち,Rok個体の絶滅は,亜種間での繁殖率の違い,Roo雄の繁殖行動における優位性,初期発生における雑種強勢,亜種間での生殖前隔離ならびに雑種退行の欠如の4要因により生じる。これに対し,Rok遺伝子の消滅は遺伝子レベルにおける亜種間の適応度の違いにより生じる。なお,この事は上記の要因をベースとした Rooの初期個体数を変えたシミュレーションにおいても支持された。, 平成17年度〜平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書, 津, 17570018}, title = {近縁外来種の侵入が在来種に与える生態・遺伝的影響に関する実証的研究}, year = {2007} }