@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00001104, author = {山岡, 悦郎 and Yamaoka, Etsuro}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 20 世紀前半最大の数学者ヒルベルトが、そのメタ数学的研究において、形式主義の立場から、数学理論の無矛盾性の有限の立場からの証明に躍起になっていた時に、大きく立ちふさがったのが当時 25 才のゲーデルであった。ゲーデルは、極めて斬新な方法を用いて、(第一) 不完全性定理において、自然数論を含む ω – 無矛盾な公理体系では肯定も否定も共に証明できないところの決定不能命題 P が存在することを証明し、さらにその系として、無矛盾な公理体系 (自然数論を含む) の無矛盾性の証明はその体系内では不可能であることを示したのである。これらのゲーデルの結果は、数学界に対してショックを与えたのみならず、理論物理学者オッペンハイマーをして「人間の理性一般における限界の役割を明らかにした」と言わしめ、また、ある哲学者をして「深い実存的な衝撃をうけた」と言わしめたのである。ゲーデルの晩年はむしろ哲学者と言った方がよいかもしれないし、彼自身、実在論者であることを口にしたこともあるが、第一及び第二不完全性定理そのものが彼自身の最も深遠な哲学的主張の一つであることは明らかであると思われる。認識論的視点から一言しておくならば、例えば、決定不能命題 P は真偽に関するパラドックスを生じさせる命題 P* と密接な関係があるということを指摘することができる。すなわち、P* は自己の偽を主張する自己言及的命題であるが、決定不能命題 P は、ゲーデルの対角化定理によってその存在が証明されるところの、自己の証明不可能性を意味する命題 (自己言及的命題) であると解釈できるのである。}, pages = {1--19}, title = {ゲーデルの不完全性定理}, volume = {3}, year = {1986} }