@phdthesis{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00011975, author = {千田, 眞喜子}, month = {Sep}, note = {application/pdf, 水は人間にとって生活する上で必要で, 重要な資源である. 健全な水環境・飲料水に至る水の安全を目指すうえで, NO3 -N( 硝酸態窒素) 等の窒素の移動を解明することが極めて重要である. 環境負荷の原因を探り, 水の安全に役立つ環境負荷削減や窒素除去について研究することは意義がある. 本論文では, 降水から水域環境水を経て飲料水に至る水の安全に着目し, 1 ) 降水中の各イオン成分と微量金属の動態, 2 ) 日本の河川水中の窒素動態( 琵琶湖・淀川流域における硝酸態窒素移動の解析), 3 ) 海外の環境水と水道水( 雨季のミャンマーの南デルタ地帯の水環境), 4 ) 飲料水の安全と塩素消毒( 有機物が含まれる水の窒素汚染と塩素消毒との関係について研究を行ったものである.1 ) 降水中の各イオン成分と微量金属の動態 大気汚染, 降水汚濁の特徴, 汚染源の起源, 黄砂の降水への影響を解明するために, 津市の三重大学において降水中のイオン成分や金属濃度の時間的変化や, P b / Zn の濃度比とバックトラジェクトリ解析から検討した. ( 1 ) 相関係数・主成分分析の結果より,降水中のイオンや微量金属を, S S I グループ( 海塩が主な発生源のイオン: Cl- , Na+ , K+ , Mg2 + , s s -SO42 -) , AS I グループ( 人為的汚染や土壌が主な発生源のイオン: F - , NO3- , NH4+ , n s s -SO42 - ,n s s -Ca2 + ) , ASMグループ( 人為的汚染や土壌が主な発生源の微量金属: Al, Fe, Mn, Pb, Zn) の3 つに分類した. ( 2 ) 風速が大きいほど, S S I グループの濃度が高くなる傾向であり, 風速が大きいと“ 海水が大気中に飛散しやすくなること” と, “ 海塩イオンが輸送され降水中で増加すること” が示唆された. ( 3 ) 降水のイオン成分と微量金属の濃度は, 一般的に時間経過とともに減少し, 大気中の汚染物質は, 降水イベントの初期に取り除かれた.降水中のP b /Zn の濃度比は, 雨雲が日本列島を通過した時の報告値とほぼ同じであることを確認した. 一日だけ汚染物質の高い事例があり, これは“ 黄砂” ではなく, “ 津市の北・東の工業地帯” の影響と推定された.2 ) 日本の河川水中の窒素動態― 琵琶湖・淀川流域における硝酸態窒素移動の解析―淀川のNO3 -Nの濃度の代替として水道水中のNO3 -N濃度を測定し, 官公庁から得られたデータと合わせ, NO3 -N濃度の変動特性について検討した. ( 1 )淀川でのNO3 -N濃度は瀬田堰の流量に依存する. すなわち, 瀬田堰の流量が増加した時, NO3 -N濃度は減少する. NO3 -N濃度が比較的低い琵琶湖の水が, 淀川のNO3 -N濃度の減少に寄与している. ( 2 ) 一方, 流量が増加すると, 淀川におけるNO3 -Nの負荷量は多くの場合増加する. 多量の流量増加は,NO3 -Nの負荷量の増加に寄与する. ( 3 ) 水道水のNO3 -N濃度,すなわち淀川の濃度は, 温度が比較的高い場合に減少する. 考えられる要因として, 温度が高い場合には植物および脱窒菌が活性化することが挙げられる.3 ) 海外の環境水と水道水― 雨季のミャンマーの南デルタ地帯の水環境―海外の環境水とf i l t e r e d wa t e r ( 水道水) について, 雨季のミャンマーのデルタ地帯の水環境での安全な水供給のために, 特に化学成分の健康への危険性に注目して, 試料水を水質のタイプに分類し, その汚染物質と汚染起源を検討した. ( 1 ) 一部のt u b e we l l wa t e r ・d u g we l l wa t e r ・f i l t e r e d wa t e r は, 汚染されており, 飲用・生活用水に適さない. ( 2 ) 標高約10メートル未満にある水は,汚染されている可能性が高かった. ( 3 ) 健康のためのWHOの飲用水ガイドライン値を超えた成分は, NO2- , NO3- , Pb , Mnであった. ( 4 )ポンプ場から遠く標高が低い地点でのf i l t e r e d wa t e r は, その蛇口に地理的に近いt u b e we l l wa t e r が浸入している事例がいくつかあった. そこで, 水供給システムの望ましい改善を提案した.最も可能性の高い改善策は, 低汚染源の水を用いた汚染水の希釈である. また, 他の改善策として, 「配管経路の衛生的な維持・管理」, 「t u b e we l lへの汚染物質の侵入防止」が挙げられる.4 ) 飲料水の安全と塩素消毒― 有機物が含まれる水の窒素汚染と塩素消毒との関係―有機物が含まれる水の窒素汚染と塩素消毒との関係を検討するため, 窒素含有量の多いほうれん草を取り上げ, そのジュースの貯蔵中の窒素( NO2 -N( 亜硝酸態窒素) , NO3 -N, NH4 -N( アンモニア態窒素) ) 汚染と次亜塩素酸ナトリウムの遊離型残留塩素の関係, 収穫後の貯蔵条件と野菜中のNO2 -N , NO3 -N, NH4 -N 生成の関係を検討した. ( 1 )NO2 -N生成の観点から, NO3 -Nが多い野菜類は, “ 新鮮なものの選択” や“ 冷蔵保存” すると安全である.( 2 ) NO2 -N生成に対する抑止効果として, 冷蔵貯蔵とともに, 次亜塩素酸ナトリウムの遊離型残留塩素は極めて効果的である.( 3 ) メトヘモグロビン血症の外因説( 窒素汚染) を再確認し, その動態を定量的に示し, それを遊離型残留塩素で抑止できる可能性を示した. ( 4 ) 収穫後の貯蔵温度が低い方がほうれん草の窒素汚染が抑制された. ( 5 ) 遊離型残留塩素によるNO2 -Nの除去効果を確認した.本研究の成果は, 降水から水域環境水を経て飲料水の安全に関して明らかにした. 健全な水環境・水の安全を目指すことに貢献している., 本文 / 三重大学大学院生物資源学研究科 共生環境学専攻, 192p}, school = {三重大学}, title = {環境水のイオン成分や微量金属の動態及び窒素汚染と除去に関する研究}, year = {2015}, yomi = {センダ, マキコ} }