@phdthesis{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00012294, author = {中山, 紘之}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 我が国の森林は,経済的な成長にともなう木材需要の増加とその公益性の恩恵に対する国民の要求に,主に人工林の造林によって応えてきた。しかし,現在 は過去最大規模に人工林の蓄積量があるにも関わらず,外材に依存し木材自給率3割という矛盾が生じている。わが国の森林やその公益的機能を次世代へ継承し,「持続可能な社会」を実現するためには,多面的な視点で問題の根源を探り,地域にイノベーションを起こしていくような人材が求められる。近年,高等教育において文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業」や「 COC:地(知)の拠点整備事業」,経済産業省の「体系的な社会人基礎力育成・評価システム構築事業」など,地域の課題・問題や地域資源を活用した教育活動が頻繁に行われるようになってきた。森林を地域資源として地域創生活用する例も少なくない。このような教育について文部科学省は,学生が主体的かつ能動的に取り組む教育を能動的学修:アクティブ・ラーニングと定義し,高等教育におけるALの導入は,大学の社会的責任 (USR),教育の実質化という観点から,参加者の能力伸長を基に教育効果を検証する試みと並行して盛んになってきた。このような能力伸長の評価は,森林をテーマ,フィールドとする教育活動も含まれていることが想定されるが,それに限定した参加者の能力伸長を定量的に検証した事例はない。そのため本研究は,社会人基礎力を指標とした森林環境教育の有効性を参加者の能力伸長を基に評価した。森林環境教育の事例として,広島経済大学興動館の「武田山まちづくりプロジェクト」と早稲田大学が創設した「環境保全型森林ボランティア活動 」を対象に,活動の事前,事後で社会人基礎力の能力伸長を測定し,その能力伸長の特徴から森林環境教育の有効性を検証する。研究に先立ち,参加者の能力伸長を測定するために事前に社会人基礎力について,その力がない「レベル 0」から社会人レベル「レベル 3」までの評価基準を基に,0.5 単位 7段階のレベルについて事前評価を行い,評価シートに記入させた。事後にも同様に自己評価を行い,レベルの再検討を行った。また,事前評価と事後評価の自己評価レベルと伸長率との関係分析から能力伸長の特徴を検証した。次に参加者の属性と伸長値を基に予備的な相関比の判定を行い,さらに属性に起因しない純粋な森林環境教育の能力伸長の特徴を主成分分析によって検討した。主成分分析の結果,それぞれの負荷量の個性から第1,第2主成分に要因名を規定し,これらの変量プロットから森林環境教育における能力伸長の特徴を検証し、森林環境教育の有効性を考察した。森林環境教育に参加した参加者の伸長率の特徴として,武田山まちづくりプロジェクトは,ストレスコントロール力,210%で,次いで創造力,154%,働きかけ力,153%で高く,森林ボランティア活動は,働きかけ力,280%,次いで創造力,220%,課題発見力,200%,状況把握力,200%であったが,共通して働きかけ力と創造力の伸長率が高いという特徴が表れた。次に予備的な相関比の判定では,興動館プロジェクト全体の学年において12の能力要素の内 ,実行力 ,傾聴力,発進力に相関が見受けら れた。一方,森林ボランティア活動においては,参加日数,目的理解,リピート回数 ,参加形態において相関比が高く,体験や経験知が能力伸長に影響することを示しているものと判断した。主成分分析では,寄与率を能力伸長の影響度としてとらえ,それぞれの負荷量の個性から第1主成分を「達感要因」とし,第2主成分を「活動内容要因」とした 。「達成感要因」は,体験学習における共通の能力伸長の傾向としてとらえ,「活動内容要因」が純粋な森林環境教育の特徴と位置づけた。また,武田山まちづくりプロジェクトと森林ボランティア活動しての伸長率や第2主成分の共通点から「活動内容要因」による「働きかけ力」の影響が森林環境教育の有効性と判断した。しかし,本研究のサンプル数の少なさからこれらの結果は ,森林環境教育を普遍的に代表するものとは言い難い。社会人基礎力を指標とした定量的な有効性の評価を試みたという点では重要な成果が得られたが,今後はさらに森林環境教育の事例を集め,その能力伸長の有効性と教育効果を検証していきたい。, 本文 / 共生環境学専攻, 34p}, school = {三重大学}, title = {社会人基礎力を指標とした森林環境教育の有効性評価}, year = {2018}, yomi = {ナカヤマ, コウジ} }