@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00001374, author = {藤田, 伸也 and FUJITA, Shinya}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 本論文は南宋画院絵画の空間構成について,いわゆる高士山水図にしばしば見られる深い谷間に注目し,北宋時代までにはなかった新たな空間表現が行われていることを考察する。光宗寧宗朝の画院待詔馬遠がその画風形成を担っており,五代北宋時代に大画面山水画の空間構成が完成されたのを受けて,彼は冊頁画をはじめとする小画面絵画に奥行きと広がりを与える手法を完成させた。本論考は,画業早期の基準作「月下把杯図」(天津市芸術博物館蔵)を中心に,関連する作品群について画面構成および画中人物の視線の効果を分析した。馬遠は,小画面の絵画の単純さと近接して見られることを活かして,画面の構成を行ない,二次元平面である絵画の幾何学的整斉をに配慮し,また,画中人物の顔の向きや視線によって三次元の絵画空間をより豊かにしている。描き尽くすのではなく,部分のみを描くことによって全体を暗示し,鑑賞者の想像力を刺戟する。こうした絵画の手法と,精緻な描写,明澄な色彩が統合されて写実的で論理的な画風が生まれ,南宋絵画は古典としての地位を中国絵画史の上で築き,時代と国を越えた普遍性を得ることに成功した。また,馬遠絵画との比較から,筆者不明の高士山水図「夏秋冬景山水図」(久遠寺・金地院蔵)を馬遠画風完成以前の南宋早期の作と推定した。}, pages = {143--153}, title = {<論説>馬遠筆「月下把杯図」(天津市芸術博物館蔵)をめぐって : 高士山水図の図様形成に関する-考察-}, volume = {19}, year = {2002}, yomi = {フジタ, シンヤ} }