@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00014103, author = {菅, 利恵 and Suga, Rie}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要, Jinbun Ronso: Bulletin of the Faculty of Humanities, Law and Economics}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 1770年代に活躍した作家J. M. R. レンツと、1830年代の作家ビューヒナーの関係については、ビューヒナーがレンツをモデルにして書いた短編『レンツ』を起点にして語られることが多い。1778年初頭にレンツが精神錯乱の発作を起こした経緯を描いたこの短編の内容にそくして、精神錯乱の主題や二人の芸術観などが論じられてきた。しかし、そのように『レンツ』を両者の接点とするとき、搾取への批判的なまなざしという二人の決定的な共通項が見えにくくなってしまう。二人はともに農民と兵士の生に特別の関心を寄せていた。それは自由と平等の名のもとに人間性が高く掲げられた啓蒙の陰で、前近代的な搾取構造が長く残された社会階層である。ビューヒナーが農民に向けた扇動ビラ『ヘッセンの急使』において、また貧しい兵士を主人公とした劇作品『ヴォイツェク』において問題にしたのは、特定の人間が一方的に物のように扱われ、搾取の対象に押し込められる構造である。そしてレンツもまた、同じ構造を見すえ続けた。本稿では、二人の人生行路や作品をかいつまんで素描しながら、両者のかかわりを『レンツ』ではなく彼らの問題意識の重なりから照らし出すことを試みる。レンツの小説『ツェルビーン』と小論「軍人の結婚について」、またビューヒナーの戯曲『ダントンの死』を中心に、それぞれの社会批判のありように光を当て、両者の共通性や違いを明らかにする。}, pages = {49--64}, title = {レンツとビューヒナー ―批判者たちの肖像―}, volume = {38}, year = {2021}, yomi = {スガ, リエ} }