@misc{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00014302, author = {阪口, 公彬}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 地球温暖化による高水温や富栄養化等の影響により,アオサ属(Ulva)藻類が大量に繁茂する現象であるグリーンタイドの発生が問題となっている。グリーンタイドの構成種にはアナアオサやスジアオノリ,不稔性のアオサ属藻類(以下,不稔性アオサ)などがある。これらの藻類が増殖し,沿岸域に堆積すると景観悪化や悪臭, 酸素不足による底生生物の大量斃死を引き起こす。アオサ属藻類の生産力を様々な環境条件で推定することができれば,グリーンタイドの発生予測やその抑制に貢献することが可能となる。そこで,本研究では不稔性アオサとスジアオノリの光合成速度からの生産力を推定する群落光合成モデルを作成することを目的とした。また,このモデルを用いてアオサ属藻類が増殖する条件を明らかにしようと試みた。 不稔性アオサとスジアオノリの光合成–光曲線を基に,硝酸態窒素(NO₃-N),水温,日長をパラメーターとしたモデルを作成し,推定した生長量を培養藻体の生長量と比較した。また,過去にグリーンタイドが発生した京都府宮津湾において2019 年6 月–2020年4 月に環境調査を行い,栄養塩,水温,光量およびグリーンタイドの発生の有無を調査した。宮津湾および他のグリーンタイド発生海域の環境条件をモデルに当てはめることで,グリーンタイドが発生する条件を推定した。 不稔性アオサとスジアオノリは,高濃度のNO₃-N 濃度で培養すると,光合成速度が高くなり,生長量が増加した。作成したモデルによる生長量の推定値が,培養藻体の生長量の実測値とほぼ一致したことから,モデルの有用性を確認できた。宮津湾では,グリーンタイドは発生しなかった。このモデルに宮津湾や他の海域の条件を当てはめた結果,不稔性アオサは夏季,スジアオノリは春季の水温・日長条件でNO₃-N 濃度が高いと,生産力が高くなることが分かった。宮津湾でグリーンタイドが発生しなかった理由は,調査期間中のNO₃-N 濃度が低かったためと考えられた。, 三重大学大学院生物資源学研究科 博士前期課程 生物圏生命科学専攻 海洋生物科学講座, 61p}, title = {群落光合成モデルを利用した異なる硝酸態窒素濃度でのアオサ属藻類の生産力推定}, year = {2021}, yomi = {サカグチ, キミアキ} }