@misc{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00015616, author = {尾崎, 真奈}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 近年、沿岸域の貧栄養化に伴う微細藻類の減少や組成の変化が、アサリの資源量の長期 的な減少の一因と見做されており、本種の餌料環境の評価が重要な課題と位置付けられる ようになってきた。しかし、本種の食性に関する知見は少なく、特に、天然海域における 具体的な餌料についてはほとんど解明されていない。本研究では、天然海域において本種 がどのような微細藻類を摂食しているのか、本種の成長に伴って食性や摂餌生態がどのように変化するのかを解明することを目的として、複数の海域(三重県志登茂川河口、京都 府阿蘇海、愛知県三河湾)において採集されたアサリ着底初期稚貝、稚貝、成貝を対象に、 DNA メタバーコーディング(DNA-MB)に基づく食性解析を実施した。 葉緑体 rbcL プライマーを用いた DNA-MB に基づいて各成長段階のアサリの食性を解析 したところ、着底初期稚貝や殻長 2 mm 未満の稚貝は、環境砂泥上の底生珪藻を、それよ りも大型の稚貝や成貝は、環境水中の浮遊珪藻を摂食する大まかな傾向が認められ、この ような摂餌様式および食性の変化は、filter-feeding のための入水管が殻長 2 mm 前後で完成 することに起因すると結論付けられた。この結果から、本種の食性研究においては、入水 管完成の前後で生活史段階を区分するのが妥当であり、入水管完成以前のアサリの餌料環 境を調べる際には、環境水中のみならず、環境砂泥上の微細藻類の量や組成を調べる必要 があると考えられた。また、環境中と消化管中の珪藻組成の比較から、着底初期稚貝、成貝いずれにおいても、大型の群体性珪藻を摂食できない可能性が示唆されたほか、補足的 に実施した消化管内容物の走査型電子顕微鏡観察の結果から、着底初期稚貝や小型の稚貝 は、強固な細胞殻を有する底生珪藻を消化できない可能性も示唆された。このように、環 境中にアサリの餌料とならない珪藻が混在する可能性についても、本種の餌料環境を評価 する上では加味されるべきである。, 三重大学大学院 生物資源学研究科 水圏資源生物学教育研究分野, 70p}, title = {天然海域における着底期以降のアサリの食性}, year = {2023}, yomi = {オザキ, マナ} }