{"created":"2023-06-19T11:45:25.847939+00:00","id":15753,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"946d9098-f611-4e1d-ae11-37cfe0c4adf9"},"_deposit":{"created_by":16,"id":"15753","owners":[16],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"15753"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00015753","sets":["420:686:705:1344"]},"author_link":[],"item_7_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2023-03-24","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_7_date_granted_59":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2023-03-24"}]},"item_7_degree_grantor_57":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"三重大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"14101","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_7_degree_name_56":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(学術)"}]},"item_7_description_14":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_7_description_4":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"データ駆動型農業のさらなる発展のため,温湿度や土壌水分量など環境情報の利用だけでなく,植物体情報を加味した環境制御や肥培管理が加われば,より高品質・多収量の実現,病気の防除等による安定した農業生産が期待できる.すでに光合成能力の指標となるクロロフィル蛍光法や葉緑体の吸光度を利用した葉緑素計などは実用化されているが,環境変化に対して複合的に起こる植物生理応答について,単一の生理指標のみで説明することは難しく,様々な生体情報の計測・利活用が望まれる.\n本研究では既存の植物センシング手法と原理が異なり,複雑な植物生体内動態をコヒーレント光による干渉現象の解析から評価するレーザスペックル法に着目した.レーザを物体に照射すると,光が対象表面や内部で拡散してカメラなどの撮像素子上で干渉する結果,明暗の斑点模様(スペックル)が形成される.対象に動態が存在する場合,光の拡散・干渉条件が時間的に変化するためスペックルの明るさは変動する(スペックル変動).スペックル変動には,複合的かつ特異的な生体内動態が反映されるため,各種刺激に対応した生理指標の提案が期待できる.そこで,本研究では,レーザスペックル法による植物のストレス応答評価を目的とし,スペックル変動要因の究明とそれに対する適切な解析手法を提案し,植物生理応答の識別・評価を実施した.以下に,本論文の成果を要約する.\n1.レーザスペックル法による早期ストレス検出の可能性を調査するため,ダイズ葉における水分ストレス応答の検出可否を検討した.既往の報告で用いられてきた複数の解析手法を適用したところ,いずれにおいてもストレス応答が検出可能であった.解析結果を画像化することで,水分輸送を担う主脈と側脈では解析値に差があり,葉面の部位によって生理応答が異なることが可視化できた.ストレス応答の検出精度は解析手法ごとに異なっており,植物が有する生理特性を踏まえた解析の必要性が示唆された.また,スペックル変動を引き起こす具体的な生体内動態が明らかでないことも課題として挙げられた.\n2.スペックル変動要因となる生体内動態を調査するため,環境変化やストレスによって動態を変化させる葉緑体に着目して,次の実験を実施した.対象として,葉緑体動態の観察を容易にするためオオカナダモを供試した.1つの試料に対してスペックル変動ならびに葉緑体動態の観察を同時刻で実施できる実験系を構築し,電気刺激によって葉緑体動態を抑制し,スペックル変動と葉緑体動態を比較した.解析では,テクスチャ解析をスペックル変動に適応させた手法を提案し用いた.結果,電気刺激直後には葉緑体動態が抑制され,スペックル変動は減衰し,電気刺激除去後は,葉緑体動態は回復し,スペックル変動もほぼ初期状態まで回復した.解析も葉緑体動態を反映する手法として適しており,その有用性が示された.以上より,葉緑体動態がスペックル変動の一因であることが示された.\n3.環境ストレスに対する植物生理応答の識別・評価可能性を調査するため,葉緑体の応答特性を利用して塩分・水分ストレス検出の可否を検討した.塩分・水分ストレスの原因はそれぞれ浸透圧差による吸収阻害と水分不足による吸収不能であり,初期症状が類似する.塩分ストレスの場合のみ葉緑体が肥大化すると報告されているため,前項で示した葉緑体動態を反映するスペックル変動解析が適用できると着想した.実験では,塩分・水分ストレス処理時のスペックル変動の観察と共に,簡易植物生理指標として葉緑素計や葉面温度の計測を実施した.結果,ストレス処理区間でスペックル変動の解析値に差異が確認された.また葉肉部分で解析値に経時的な変化が確認された一方,葉脈部分では変化が確認されなかった.葉脈部は,水や光合成産物の輸送路として維管束が通り,構造上,葉肉部に比べ細胞が少ない.そのため,葉緑体の肥大化やその動態が葉脈部分に比べ葉肉部分で強く反映されたものと考えられた.簡易植物生理指標ではストレス処理に伴うクロロフィルの分解などを反映した結果が確認されたものの,その値の変化率に比べスペックル変動解析の変化率が顕著に大きく表れた.したがって,環境ストレスの識別・評価においてレーザスペックル法が有用であることが示唆された.\n以上の成果より,本研究提案の葉緑体動態に着目したレーザスペックル法が,植物のストレス応答評価に有効であり,新たな植物センシング手法ならびに生理指標の提案の可能性を示した.今後,生育段階や植物種ごとに本手法の適用可能性を調査することで,栽培環境の精密な制御からストレスの積極的利用による高品質生産を実現するなど,一層のデータ駆動型農業の発展が期待される.","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"本文","subitem_description_type":"Other"},{"subitem_description":"80p","subitem_description_type":"Other"}]},"item_7_dissertation_number_60":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲学術第2194号"}]},"item_7_publisher_30":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"三重大学"}]},"item_7_text_31":{"attribute_name":"出版者(ヨミ)","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"ミエダイガク"}]},"item_7_text_65":{"attribute_name":"資源タイプ(三重大)","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"Doctoral 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