@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00001578, author = {大河内, 朋子}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 読者がいかに文学作品を受容したかは、読者からの発信を手がかりにする以外には突き止められない。従来の主たる発信手段は作品の評論や翻訳、小説や戯曲の創作、舞台上演や劇映画化などであったが、近年ではアニメーションやコミックなどの視覚的メディアや、とりわけインターネットのウェブサイトが発信手段として広範に利用されている。ウェブサイトには、文字テキストである二次創作、音声合成ソフト(ボーカロイド)による音楽作品、イラストレーションなどが多数投稿されている。本稿では、こうした新しいメディアにおいてドイツ語圏の文学作品がどのように消費・再生産されているのかについて考察した。 まず、コミックとアニメーションによる翻案例として、西岡兄妹『カフカ』と山村浩二『カフカ田舎医者』を取り上げた。西岡兄妹も山村もカフカ作品の独特な物語世界それ自体に関心を持ち、カフカ作品のなかに自らが抱え込んでいるテーマを読み込みながら解釈し、それぞれのメディア特性を活かして再生産した(旧来の受容形式)。 それに対して、ウェブ上で公開されている作品の作者には、原作の物語世界を読解することへの関心は見うけられない。彼らは原作から定型的な機能やモティーフを抽出したうえで、さまざまなメディアで効率よく自由に創作する(新しい受容形式)。作者は既存の物語を解釈することなく、二次的に創作・投稿することによって、閲覧者とともにウェブ上でゆるやかな社会的共同体を形成している。}, pages = {27--38}, title = {現在の日本におけるドイツ語圏文学受容の一面について}, volume = {29}, year = {2012} }