@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00001618, author = {菅, 利恵 and SUGA, Rie}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 1730年代に演劇改革をとなえたゴットシェ,卜は、演劇に徹底したテクスト中心主義を導入しようとした。本稿では、このテクスト中心主義が18世紀後半においてどのように受け継がれ、また演劇的なフィクションの形成にどのような変化をもたらしたかを明らかにする。18世紀後半を通して、演劇的なフィクション世界のあり方は大きく変化し、その期待される役割やフィクション世界との向き合い方が変わった。本稿はこれを示した上で、その変化と当時の演技法との関わりを考察し、アドリプを否定された役者が、フィクション世界の構築にどのように関与することになったのかを追う。とりわけ、役者とテクストとの関係性が時代とともにどう変わったのかという点に注目し、18世紀後半においては、テクストの意味作用を純粋なものに保つために役者のフィクション世界形成への関与が極力狭められていたことを示す。つまり役者には、フィクション世界の外面的な記号に自らを還元させることがもっばら要求されたのである。本稿では、そのような「記号としての身体」という役者像を乗り越える方向性を示した人物として、当時の代表的な役者であり、ベルリン王立劇場の監督であり、また人気劇作家でもあったA.W.イフラントに注目する。「役者とフィクション世界との関係性」という観点から見たとき、彼の演技論は重要な意義を有している。すなわち彼は、フィクション世界にもっぱら「記号」として関わる同時代の役者像に対して、これに「読者」として関わる役者像を提示している。彼の演技論においては、単なる「記号」ではなくテクストを読み解く主体としての役者像が示されており、それは、役者がテクスト重視の流れを受け継ぎつつもより能動的にフィクション世界の構築に関与するための道を示すものとなっている。}, pages = {61--72}, title = {読者としての役者 : 18世紀の演技論とA.W. イフラント}, volume = {31}, year = {2014} }