@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00001625, author = {大河内, 朋子 and OKOCHI, Tomoko}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要}, month = {Mar}, note = {application/pdf, メルシ芸術家シュヴィッタースの文学テクストには、音楽的なものが構成要素として織り込まれているのではないかという推測を裏付けるため、シュヴィッタースが書き残した宣言や批評を通読した。その結果、シュヴィッタースの言説から、次のような結論を得ることができた。(1)メルツ絵画において、シュヴィッタースはありとあらゆる素材を同等の権利をもつものとして用いる(「素材の解放」)。素材は現実的な意味連想(コード)から解き放たれて、芸術作品を構成する形態(構成部分)へと変容される。そうした「抽象」化の過程において、素材は「対比して(gegcncinander)」原則的に同じ価値づけを施される。つまり、個々の素材間の差異性や対立は温存されて、芸術作品の中には差異に基づく平衡関係が打ち立てられる。絵画に見られるこうした構成原理は、文学的な創作をも特徴づけている。(2)シュヴィッタースの芸術作品は、素材が協同して作り出す「リズム」によって秩序づけられている。「対比して(gcgen)」価値づけること、すなわち素材の差異性に基づく平衡状態を作り出すことは、対位法(contra)の音楽的リズムを生み出すことでもある。「芸術とはリズム以上の何ものでもない」と述べるシュヴィッタースにとって、「対位法的なリズム(対位法的な構成)」がメルツ芸術を律する綱領であった。}, pages = {129--136}, title = {クルト・シュヴィッタースのメルツ芸術作品における音楽的なもの}, volume = {31}, year = {2014} }