@article{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:02000364, author = {永谷,健}, issue = {41}, journal = {人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要, Jinbun Ronso: Bulletin of the Faculty of Humanities, Law and Economics}, month = {Mar}, note = {近代日本の経済エリートたちは明治期を通じて傑出した経済的地位を占めたが、彼らの金銭的な成功そのものは、金儲けに対する蔑視が根強いプレモダンの思潮のなかでは批判や攻撃の対象になりやすかった。そのため、彼らは機会を捉えて、自分の事業やその結果もたらされる富の蓄積を正当化した。国益・公益事業に対する寄付と並んで彼らが熱心であったのが、自分の事績や事業が国益・公益につながる反利己主義に依拠した営みであることを雑誌や書籍で語ることであった。とくに明治後期から大正期にかけて、彼らはメディアとの〝共犯関係〟のなかで、自分の半生が道徳的な徳目に依拠していたことを趣旨とする自伝的な語りを大量に生み出した。そうした語りは、昭和初期のナショナリズムといかなる接点を持つのか。本稿では、同じ時代に渋沢栄一や森村市左衛門が修養団に接近し、帰一協会の企画に関与した点をもとに道徳や信仰と実業のかかわりに注目する。実業の道徳化とも言える彼らの動向は経済拡張期の思潮とは相容れなかったが、同様の企てや実業の道徳化という思想自体は彼ら以降も消滅することはなかった。むしろ、そこに見える反利己主義の思想は、大戦景気以降の経済の失速のなかでナショナリズムと接点を持ったのではないだろうか。}, pages = {25--33}, title = {近現代日本における経済エリートと道徳性}, year = {2024} }