{"created":"2024-11-05T04:07:43.325607+00:00","id":2001034,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"e279416f-311d-4cfd-8da5-6804babc2e19"},"_deposit":{"created_by":15,"id":"2001034","owner":"15","owners":[15],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2001034"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:02001034","sets":["420:686:705:712"]},"author_link":[],"item_7_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2014-03-25","bibliographicIssueDateType":"Issued"}}]},"item_7_date_granted_59":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2014-03-25"}]},"item_7_degree_grantor_57":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"三重大学"}],"subitem_degreegrantor_identifier":[{"subitem_degreegrantor_identifier_name":"14101","subitem_degreegrantor_identifier_scheme":"kakenhi"}]}]},"item_7_degree_name_56":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(学術)"}]},"item_7_description_14":{"attribute_name":"フォーマット","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"application/pdf","subitem_description_type":"Other"}]},"item_7_description_4":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"2011年3月11日に発生した東日本大震災(地震名は東北地方太平洋沖地震)はモーメントマグニチュード9.0 という,日本のみならず,世界の観測史上においても最大規模の自然災害であった.その死者・行方不明者数は18,000 以上と言われている.このような災害をもたらす現象は,極値的自然現象,つまり再現期間がきわめて大きい,規模が通常ではない自然現象である.別の言い方をするなら,現象の規模が,それを表現する確率密度関数の裾の辺りに対応するような極値を示す現象である.例えば,気象庁による「極端な自然現象」の定義では,30 年に1 回程度以下の発生頻度の現象と考えられる.\n本論文では,そうした極値的自然現象のうち,津波と豪雨を対象に,分布のモデル化を試みた.第II部では,上述の東日本大震災を事例とし,多くの人命を奪った津波による浸水域,つまり空間分布を推定する手法の開発を試みた.第III 部では,気象庁による解析雨量データと100 年以上観測が行われている51 地点における日降水量を用い,それらの時間分布,空間分布のモデル化手法について検討した.以下,(1) 津波浸水域 (空間分布) のモデル化,(2) 解析雨量の時空間分布のモデル化,(3) 51 地点日降水量の時空間分布のモデル化に分けて,得られた成果の概要を述べる.\n\n(1) 津波浸水域 (空間分布) のモデル化\n東日本大震災に伴う津波に関し,震災発生後約1 ヶ月間の新聞記事 (4 社) と標高データを基に,このときの津波浸水域 (空間分布) を推定した.まず,新聞記事から離散的な津波浸水深を推定し,その値と標高データを用い,2 次元スプライン補間法によって津波浸水深の空間分布を求めた.この浸水深の空間分布は,津波浸水深の実測値を用いていない,比較的簡単にデータが手に入る新聞記事と標高データから得られた,いわゆる津波浸水深を推定する空間分布モデルである.このモデル値と観測値の比較を行ったところ,相関係数が0.9 を超え,また,10m メッシュの標高データから想定した津波浸水域と現地踏査等によって作成された津波浸水域の一致度が「実質的に一致」となり,モデルの妥当性が充分であることが証明された.\n開発されたモデル化手法の適用例としては,下記の2 つが挙げられる.\n1) 津波浸水域の推定については,現場踏査や衛星データ等のリモート・センシングデータを利用した推定がこれまでなされてきた.しかし,現場踏査は手間と時間がかかる.また,リモート・センシングデータによる手法に関しては,気象条件等によっては利用に制限があり,またデータ入手に高額の費用がかかる場合がある.それらと比較して,本研究で開発されたモデル化手法によれば,1ヶ月程度の時間と比較的安価な費用で津波浸水深の空間分布が推定可能である.\n2) 貞観地震の津波の詳細が明らかになっていれば,東日本大震災の津波による悲劇はある程度軽減できた可能性がある.このように,石碑や神社等に存在する,過去の災害を示す資料 (津波の痕跡) から過去の津波の規模や浸水域等を明らかにしようとする研究が続けられている.本研究で開発された手法における「新聞記事による津波浸水深データ」という部分を「過去の津波の痕跡」と読み替えれば,本研究による手法をそれらの研究に適用することが可能である.\n\n(2) 解析雨量の時空間分布のモデル化\n地球科学的データは,時系列データ,空間データに関わらず,モノフラクタルモデル,マルチフラクタルモデルなどのフラクタルモデルでモデル化できることが多い.フラクタルモデルは,スケーリング則,自己相似性 (方向によってスケーリング特性が異なる場合は,自己相似とは言わず,自己アフィン性と称す) に基づいたモデルであり,確率統計的モデルの一種で,物理モデルとは性質が異なる.多くの場合,物理モデルは決定論的に予測値を予測することを目的として使用され,確率統計的モデルは,河川計画等の計画策定におけるモンテカルロシミュレーションへの適用が想定される.基本的に,このシミュレーションは,ホワイトノイズを発生させ,それを適正なフィルターでフィルタリング (濾波) することで,乱数的なデータ列を得る構造になっている.昔から有名なBm (ブラウンモーション) は最も簡単な例である.Bm は,ホワイトノイズとして正規乱数を使い,ハースト指数というパラメータを0.5(スケール指数にして2.0) にした場合に相当する.ハースト指数を0.5 以外の場合に拡張したのがfBm(非整数ブラウンモーション) で,ホワイトノイズとして,正規分布の一般形であるLévy 分布を用いたのがfLm (非整数Lévy モーション) である.これらはすべて,モノフラクタルモデルで,それの適用の必要条件は,波数とパワースペクトル (空間解析の場合) ,または各振動数とパワースペクトル (時間解析の場合) の関係がlog-log linear になることである.解析雨量データを用いた解析の結果,以下のような結論が得られた.\n1) 解析雨量の空間分布から256×256 の領域 (東海地方) を5 スキャン取り出して解析した結果,場はフラクタルであることが分かった.また,この場を生成させるためのホワイトノイズとして,正規乱数が適当であることがわかった.つまり,解析雨量の空間場は,fBm で生成することができる.\n2) 解析雨量の時系列データ (30 日分 = 744 データ) を3 種類の期間について取り出し,上述の空間分布データと同様の解析を行った.この場合も,場 (時系列) はフラクタルであることが分かった.ただし,空間場と異なり,ホワイトノイズとして,正規乱数は適当でなく,裾の厚い,極値が出やすい分布であるLévy 分布が適当であることが分かった.\n3) つまり,空間的には,隣同士の値 (降水量) が極端に変わらない (極値的でない) が,時系列的には隣同士の値 (降水量) が極端に変わる場合があるということを意味している.\n\n(3) 51 地点日降水量の時空間分布のモデル化\n日本全国の51 地点 (100 年分以上のデータがある地点) の日降水量時系列データを用いて,(2) と同様の解析を行った.その結果,まず,日降水量時系列データそのものは,パワースペクトルにピークが出る (特定の角振動数が卓越している) ため,この種の解析に向かないことが分かった.そのため,まず,100 年強のデータを用い,1 月1 日~12 月31 日までの日降水量の各日の平年値を算出し,5 日移動平均によって平年値曲線を求め,100 年強のアノマリー (降水量と平年値の差) をデータとして解析を行なった.その結果,(2) と異なり,データの場はフラクタルではないことが分かった (つまり,角振動数とパワースペクトルの関係がlog-log linear にならなかった).ただし,特定のスムーズな関係 (指数関数的関係) は得られた.そこで,その関係式を用い,(2) と同様の手順によって時系列モデルを生成するe-model を構築した.このモデルによりシミュレーションを行った結果,現実の降水量時系列と同様のデータ時系列を生成することができた.","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"本文","subitem_description_type":"Other"},{"subitem_description":"78p","subitem_description_type":"Other"}]},"item_7_dissertation_number_60":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲学術第1679号"}]},"item_7_publisher_30":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"三重大学"}]},"item_7_text_31":{"attribute_name":"出版者(ヨミ)","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"ミエダイガク"}]},"item_7_text_65":{"attribute_name":"資源タイプ(三重大)","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"Doctoral Dissertation / 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