@techreport{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00007039, author = {遠山, 敦}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 1.本年度は、主として伊藤仁斎『中庸発揮』の所謂「下篇」、即ち『中庸』後半部の注釈に焦点を当て、特に第二十一章以下(「誠明書」)に展開された「誠」概念の特質に関して研究を行った。方法としては、前年度と同様に、仁斎がその注釈の批判的対象とした朱子『中庸章句』と対比しながら、既に翻刻済みの第一本から元禄七年校本に至る仁斎の注釈の変遷を跡づけ、そこに彼独自の概念把握がどのように展開していったのかを明らかにしようとするものである。新たに得られた知見としては、『童子問』『語孟字義』における仁斎の「誠」が、第一義的には「道」に関わる概念、即ち個に内在するものではなく共同性の中で実現されるべき「道徳」として捉えられているのに対して、『中庸発揮』においては、主として「性之徳」の様態を表す概念として、個的な「性」と極めて近接したものだとして捉えられている点が挙げられる。仁斎における天人関係把握は従来の研究でも未だ十分に解明されていない論点であるが、「誠」概念の示すこうした揺れや振幅は、そうした論点を解明する新たな視点を提供するものであるということができる。 2.研究にあたっては仁斎自筆校本の様態にも配慮する必要がある。また併せて本年度は、古義堂内部において『中庸発揮』がどのように継承されていったかについても、三代当主である伊藤東所著『中庸発揮翼抄』を中心として、天理大学附属図書館古義堂文庫蔵の関連諸校本に関して調査を行った。, 平成16年度ー平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書, 104, 16520015}, title = {『中庸』解釈から見られる伊藤仁斎の倫理思想に関する研究}, year = {2007} }