@misc{oai:mie-u.repo.nii.ac.jp:00009346, author = {百瀬, 智英}, month = {Jan}, note = {application/pdf, 1 はじめに 近年、自動車のドライビングシミュレータが普及し、自動車学校や初心者・ 高齢者の安全運転講習や違反者講習で用いられている.しかし,シミュレータ を操作した際にシミュレータ酔いと呼ばれる乗り物酔いに似た症状を発症し, 運転経験が長く豊富な人ほどシミュレータ酔いを起こしやすく,高齢者・違反者 講習での弊害が大きい.シミュレータ酔いの原因は,シミュレータで得られる 模擬された刺激と,実車での経験情報の矛盾によるものである.シミュレータ ではカーブ中に映像の動きが大きくこの視覚情報の変化がシミュレータ酔いへ 大きな影響を与えていると考えられる.そこで本研究ではカーブ中の視野映像 の動きによりベクションが異なる事が酔いへ及ぼす影響を検討した. 2 実験方法 連続的なカーブを有する仮想空間と周期的な視覚刺激(縞模様のテクスチャと, 1秒毎のテクスチャの点滅)を与えるドライビングコースを作成し,刺激位置の 異なる4種の映像を用いて実験を行った. 路面に刺激あり(水平映像),壁面に刺激あり(垂直映像),路面・壁画共に刺激あり (合成映像),刺激なしの映像(対照映像)である.これらの映像を被験者にシミュ レートさせ,不快感を2件法で評価またそれぞれの映像についての回転運動感 覚(Pitch.Yaw)の2種と直線運動感覚(Linear)を0~10の11段階で評価させた. また被験者には視運動を測定するために皮膚電極を貼り付けてもらい,眼電位 を計測した.被験者は健康な20代の男女(女性1名)で,刺激生成時間は60秒, 総試行回数は232回であった 3 実験結果 不快感を距離尺度した結果水平映像・対照映像の2条件では不快感が同程度 であり不快感はほぼなかった.しかし,垂直映像・合成映像の2条件においては 大きく不快感が上昇した.Yawの回転運動感覚では,不快感と同様に路面刺激・ 刺激なしの2条件において他の2条件に比べて上昇した.Pitchの回転運動感覚 はどの条件も低い数値となった.Linear(直線運動感覚)では, Yaw回転と同程度 の数値であったが刺激条件による差は見られなかった. 4 考察 壁画映像・合成映像では不快感が上昇し,またYaw回転の感覚が上昇した.こ れはカーブ時において垂直面つまり建造物などの高さのある映像はYaw回転の ベクションを引き起こし,シミュレータ酔いの一因となっていると考えられる. しかし,今回の実験では水平映像が与えるベクションについては解明が出来な かったため,今後の課題として水平映像とベクションの関係が明らかになれば, シミュレータ酔いに最も影響を与えている映像によるベクションが解明でき, 酔いの改善される呈示方法の開発につながると考えられる., 三重大学大学院工学研究科博士前期課程情報工学専攻, 23}, title = {カーブ中の視野映像の動きがドライビングシミュレータ酔いに及ぼす影響}, year = {2013} }