WEKO3
アイテム
液滴型摩擦発電機における液滴の挙動と出力特性の関係に関する研究
http://hdl.handle.net/10076/0002000353
http://hdl.handle.net/10076/00020003538f9c1d5b-2bc2-49ae-8dc1-b1d9e6507f53
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||
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公開日 | 2023-12-20 | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | 液滴型摩擦発電機における液滴の挙動と出力特性の関係に関する研究 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
言語 | ||||||||||
言語 | jpn | |||||||||
資源タイプ | ||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||
アクセス権 | ||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||
著者 |
永沼, 良太
× 永沼, 良太
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抄録 | ||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||
内容記述 | 世界の電力消費量は 1971 年以降増加している一方、未電化人口は 7 億 5,660 万人存在する。この課題に対して、全ての人々に電力を供給できる可能性のある技術としてエネルギーハーベスティングが注目されている。近年、エネルギーハーベスティングの一つとして液滴型摩擦発電機(Droplet-based electric generator: DEG)の出力特性に関する研究が活発に行われている。DEGは誘電体膜の上下に導電性電極を配置した簡単な構造で、数百マイクロワットの瞬時電力を発生する。DEG では、液滴と誘電体の摩擦と静電誘導を介して誘電体と導電性電極に電荷が蓄積される。液滴が導電性電極に接触すると、蓄積された電荷が外部回路へ流れることで電気出力が発生する。DEG の電気出力は液滴の挙動に強く影響を受けるが、詳細な電気出力発生メカニズム、回路モデルと液滴パラメータの関係が解明されていない。本研究では液滴パラメータ、電気出力、回路パラメータの関係を検証した。 第 1 章ではエネルギーハーベスティングのニーズとターゲット、力学的エネルギー-電気エネルギー変換方式、摩擦帯電、傾斜 3 層型 DEG の特長と本研究の目的を述べた。エネルギーハーベスティングは人々の周囲環境に存在する未利用エネルギーを電気エネルギーに変換する技術である。ターゲットは数百マイクロワット以下の低消費電力電子機器である。摩擦帯電と静電誘導を組み合わせた力学的エネルギー-電気エネルギー変換方式は、耐久性、小型化、汎用性において他の方式より有利である。本研究は、摩擦帯電と静電誘導を組み合わせた傾斜 3 層型 DEG について、詳細な電気出力発生メカニズムを明らかにし、エネルギーハーベスティング素子としての利用可能性を提示することを目的とする。 第 2 章では、傾斜 3 層型 DEG の動作原理、等価回路モデル、基礎特性を述べた。傾斜 3 層型 DEGの電気出力の起源は、液滴とポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene: PTFE)の界面、液滴と上部電極の界面で電気二重層が形成される過程で発生する下部電極からの正電荷の移動である。液滴の上部電極通過時間が約 50 ms であるのに対して、電荷の移動は約 1 ms で完了する。傾斜 3 層型 DEG の等価回路は、電荷移動中の水滴と PTFE の接触面積の時間変化が無視できる場合、簡略化した RC 回路で表せる。基礎特性については、本研究で作製した傾斜 3 層型 DEG の構造、基本的な電気出力波形を示した。電気出力波形は、先行研究報告と同様の波形が得られていることを述べた。 第 3 章では水滴の力学的エネルギーと傾斜 3 層型 DEG の電気出力の関係を詳細に調査した。導電率 3.3 µS/cm の水滴と 110 µS/cm の水滴について、水滴の力学的エネルギーが増加するほど、水滴が PTFE に衝突した後の、PTFE 表面上での水滴の最大直径が増加することを確認した。電気出力は水滴と PTFE の接触面積 に比例することを見出した。ただし、導電率 3.3 µS/cm の水滴においては がある値を超えると電気出力は一定値を示した。これは水滴と PTFE の界面で電気二重層形成に寄与する水滴内陽イオン数に上限があることが原因であると考察した。高導電率の水滴と低導電率の水滴の出力電圧の比は、第 4 章で導出した内部抵抗値と開放電圧から算出した出力電圧の比とおおよそ一致していた。 第 4 章では、傾斜 3 層型 DEG が簡単な RC 回路でモデル化が可能であるかを検討し、液滴パラメータと回路パラメータの関係を検証した。傾斜 3 層型 DEG の出力電圧波形の減衰時定数から求めた静電容量と PTFE シートの静電容量の計算値はおおよそ一致した。また、傾斜 3 層型 DEG の電圧-電流特性と PTFE シートの静電容量から見積もった PTFE 帯電電荷密度と PTFE 帯電電荷密度の文献値は同程度であった。以上より傾斜 3 層型 DEG の回路モデルは、水滴の電気抵抗と PTFE の静電容量から構成される RC 回路であることが明らかになった。水滴の電気抵抗は、水滴の導電率の増加とともに増加し、水滴の形状に依存した。水滴は PTFE 上を薄く広く伸び広がるほど、水滴内の陰イオンの移動経路が長く、断面積が狭い。したって水滴の電気抵抗が高くなる。PTFE の静電容量は水滴と PTFE 接触面積で決まる。開放電圧は、水滴の落下高さが一定の場合、水滴導電率に依存しないことがわかった。水滴の形状と開放電圧の関係については、水滴の力学的エネルギーが高いほど水滴と PTFE の衝突時の衝撃が強く、PTFE の摩擦帯電量すなわち帯電電荷密度が高いため、開放電圧が上昇する。本章で得られた回路パラメータを適用して、雨滴 1 滴から出力される最大瞬時電力を算出した。落下高さ 30 mm、落下点から上部電極までの距離 10 mm、負荷抵抗値 3MΩとした場合、雨滴 1 滴から出力される最大瞬時電力はおよそ 833 µW であった。 第 5 章では、本研究によって得られた知見を述べた。傾斜 3 層型 DEG は、エネルギーハーベスティングのターゲットとして考えられている温度・光センサー等、各種電子機器に利用できる可能性があることが明らかになった。本研究によって得られた電力供給技術に関する新しい知見が、未電化人口ゼロなど、社会的課題の解決に貢献できると期待する。 |
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言語 | ja | |||||||||
内容記述 | ||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||
内容記述 | 本文 | |||||||||
内容記述 | ||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||
内容記述 | 70p | |||||||||
書誌情報 |
発行日 2023-12-20 |
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フォーマット | ||||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||||
内容記述 | application/pdf | |||||||||
著者版フラグ | ||||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||||
出版者 | ||||||||||
出版者 | 三重大学 | |||||||||
出版者(ヨミ) | ||||||||||
ミエダイガク | ||||||||||
学位名 | ||||||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||||||
学位授与機関 | ||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||
学位授与機関識別子 | 14101 | |||||||||
学位授与機関名 | 三重大学 | |||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||
学位授与年月日 | 2023-12-20 | |||||||||
学位授与番号 | ||||||||||
学位授与番号 | 甲工学第2231号 | |||||||||
資源タイプ(三重大) | ||||||||||
Doctoral Dissertation / 博士論文 |